石原里紗

面白かったのは、女性の中でも、いわゆる「フェミニスト」を名乗る人たちの意見です。 「専業主婦だって、男性社会が生み出した被害者です」 「専業主婦と兼業主婦という分け方自体がナンセンス! そんなことをして、女性同士がいがみ合っていては、敵(男性)の思うつぼです!」 これにはびっくりしました。男性と女性って、二手に分かれて争っていたんでしたっけ? 私は知りませんでした。それに、男性社会の被害者って言いますけれど、社会を構成しているのは、半分は女性です。男性対女性という分け方をしたって、どちらか片方に一方的に有利な社会を作ることができるでしょうか。いまのこの社会を作ってきたのは、男性だけではないはずです。 また、誰かが無理矢理専業主婦を強制しているんでしょうか。それぞれの意思で、働いたり、働かなかったりしているんじゃないんですか? それなのに、被害者……。加害者はいったい誰なんでしょう。 「私は大学を出ていなくて、苦労したからうちの○○には……」とか、「私は小さい頃、ピアノを習いたかったから、娘には……」とか、「主人の子どもの頃の夢がサッカー選手だったからその夢を息子に」 って言う人たち、いますよね。 私がどうしても理解できないのは、こういう人たちの理屈です。 自分が苦労したと思うなら、いまから大学に行けばいいじゃないですか。高校を出ていれば、いまからでも受験のチャンスはあるし、高校も中退してしまったなら、大検という方法もあるんですから。いまどき、働きながら夜間の大学に通う人や、主婦をしながら大学院に通う人だって、いくらでもいます。